東北大学大学院理学研究科化学専攻分析化学研究室
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走査型電子顕微鏡 (SEM)



 虫眼鏡やルーペをもっと精密にした装置が“光学顕微鏡”(Optical Microscope)です。 光学顕微鏡を覗いていろいろな物質の微小形態を観察できます。肉眼やビデオカメラで試料の形態を見るときには可視光を使っています。 どのくらいの小ささまで見ることができるか(解像限界)は、光の回折現象で決まります。顕微鏡の解像限界は、0.61λ/NA、 と表されます。ここで、λは光の波長、NAは対物レンズの開口数(numerical aperture)で、光学顕微鏡で区別できる最小の大きさは、 おおよそ光の波長の半分ぐらい、つまり250nm程度となります。


 一方、電子線にも回折現象がありますが、電子の物質波としての波長は、およそ2.5pm(200kVで加速されたとき)で、 可視光に比べて5桁ほど短くなり、光学顕微鏡よりもはるかに小さな形態を観察できます。実際上は、 レンズの収差の影響などで、50pm-2nm程度が解像限界となっています。電子顕微鏡は、大別すると、 “走査型電子顕微鏡”(SEM: Scanning Electron Microscope)と“透過型電子顕微鏡”(TEM: Transmission Electron Microscope) の2種類があります。SEMでは、試料の表面構造や形状を観察でき、分解能は1-5nm程度です。もっと小さな形態を見たいときには、 試料を薄片にしてTEMで観察します。


 電子線を加速するので、顕微鏡内(つまり試料も)は高真空に保たれています。また、試料に電子線を照射し続けるので、 試料に電荷が溜まらないように、試料を導電性のある炭素などでコーテイングする必要があります。


 以下に、私たちが使っている装置と測定データ例を示します。


SEM Equipment SEM Image of an Organic-Inorganic Hybrid Material

TEM Equipment TEM Image of DNA with Gold Nano-Particles


走査型電子顕微鏡の解説はこちら



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